りかるどの憂鬱

ただの雑記的メモ

ソノ壱

昔から好きだった人と 
大人になって出逢うなんて思いもしなかった
 
だって、出逢った日からすでに20年
私も少しオバサンになったかもしれない
 
何年かに一度、彼の姿を遠くから見る
話しかけることも、目を見つめることも出来ない距離
 
ただ、あの日だけは違っていた
何故か視線が合った
 
だけど、みんなの視線が恐くて
見えない振りをした

 
幸せの一瞬
それだけで満足だった
それなのに・・・
 
Laiが、私に話しかける
「Didが話があるそうなんです。来ていただけますか?」
Laiは、若い頃のDidのようで
それもそのはず、彼の息子なんだから
 
透き通った肌と 微笑みを絶やさないのはそっくり
思わず見とれてしまう
 
「どうかしたんですか?」
立ち止まっている私をみてLaiが言った
「ぃえ、なんでもないの」
私は小走りに後を追いかける
 
Didは、一体私になんの用が在るというのだろうか
彼自体は、私の存在など知らないはずなのに